吉野ヶ里(よしのがり)遺跡とは
佐賀県神埼(かんざき)市、神埼郡吉野ヶ里(よしのがり)町にまたがって位置する弥生時代の大規模な遺跡です。1986年から佐賀県教育委員会によって発掘調査が開始されて以降、調査を継続しており、現在は整理作業や報告書作成作業を行っています。
これまでの調査より、弥生時代前期初頭に小規模な環壕集落が丘陵南端に形成されたと推定され、前期には2ヘクタール、中期には推定20ヘクタール超、後期には40ヘクタールを超す大規模な環壕集落へと発展したことが判明し、後期後半から終末期には望楼(物見櫓)を備えた環壕によって囲まれた特別な空間(北内郭・南内郭)の存在が確認されています。
北内郭は、内部に中期の墳丘墓に南面する祭殿と推定される大型建物を含む掘立柱建物跡が存在するなど、司祭者の居住や祭祀の場と考えられています。南内郭は、高階層の人々の居住区と考えられます。南内郭西方に存在する大規模な高床倉庫群と目される多数の掘立柱建物跡は、その規模や構造から「市」の存在も推定されています。このように、弥生時代終末期にはクニの中心集落へと発展した姿を読み取ることができます。
また、中期初頭から成人用の甕棺墓が数多く営まれますが、中期の600メートルに及ぶ長大な列状の集団墓地などとともに、首長層を埋葬したと考えられる大規模な墳丘墓が存在して、銅剣やガラス製管玉、絹布片などが出土し、階層分化と首長権確立のありさまを示しています。
○吉野ヶ里遺跡 発掘再開
吉野ヶ里遺跡では10年ぶりに発掘調査を再開しました。発掘調査地は、33年前から「謎のエリア」として注目されていた日吉神社境内地跡です。
○遺跡の復元・整備
令和6年4月以降の弥生ロマン体験事業について
佐賀県では、吉野ヶ里遺跡の普及・啓発事業の一環として、県内の児童・生徒を対象に、古代のものづくりなどを体験する「弥生ロマン体験事業」を実施してまいりましたが、令和6年4月から、吉野ヶ里歴史公園で行っている「体験プログラム」への一本化を行うこととなりました。
令和6年4月以降、吉野ヶ里歴史公園での体験学習を希望される場合は、吉野ヶ里公園管理センターの「体験プログラム」をご利用ください。
詳細はこちら
ふるさと納税で「吉野ヶ里遺跡」を応援してください!!
ふるさと納税『施策応援コース』にて、『「吉野ヶ里遺跡」の活用』として、寄付をお願いしております。公園内にある展示室などで公開するために、出土遺物の復元品作製や出土した金属器の保存処理を実施したいと考えています。今以上に、古代が身近に感じられ、より魅力的な展示になるよう、いただいた寄付金を活用していきます。
吉野ヶ里遺跡関連写真(出土遺構や遺物などの写真)について
吉野ヶ里遺跡関連写真の借用をご希望される方は、「吉野ヶ里遺跡関連写真ギャラリー」よりダウンロードいただけます。
また、「ギャラリー」に含まれていない写真については、下記連絡先にて写真の有無をご確認の上、申請書様式(MS-Word形式)にて申請願います。
-
- 申請書 (ワード:34.5キロバイト)
なお、吉野ヶ里歴史公園の現況写真(復元された建物など)の借用を希望される方はこちら(外部リンク)へお問い合わせください。
佐賀県文化財調査研究資料室保管資料(吉野ヶ里遺跡以外の県が保管する資料)を希望される方についてはこちらへお問い合わせください。
シンポジウム「弥生人 青銅器と出会う」動画の公開について
令和3年度(2021年度)度地域の特色ある埋蔵文化財活用事業として、令和4年(2022年)1月30日(日曜日)に予定していたシンポジウムは、新型コロナウイルス感染症拡大のため、対面での開催から講演やディスカッションを収録して動画を公開するよう変更しました。動画は以下のリンクからご覧いただけます。
1 基調講演「日本列島における青銅器文化の始まりと特色」 愛媛大学ミュージアム教授 吉田 広 氏 動画はこちら(外部リンク)
2 講演1 「朝鮮半島における青銅器文化の様相と特色」 佐賀県文化課文化財保護室主任主査 村松 洋介氏 動画はこちら(外部リンク)
3 講演2 「吉野ヶ里遺跡における青銅器の出現」 佐賀県文化課文化財保護室係長 渋谷 格 氏 動画はこちら(外部リンク)
4 講演3 「近畿地域における青銅器生産の始まり」 茨木市立文化財資料館学芸員 清水 邦彦氏 動画はこちら(外部リンク)
5 ディスカッション(吉田・村松・渋谷・清水・田尻) コーディネーター:九州大学准教授 田尻 義了氏 動画はこちら(外部リンク)
吉野ヶ里歴史公園について
公園の運営は「吉野ヶ里公園管理センター」で行っています。公園内イベント情報、入園料や駐車場のご利用案内等は、
吉野ヶ里歴史公園(吉野ヶ里公園管理センター)のホームページ(外部リンク)にて、ご確認ください。