平成15年3月10日指定
西松浦郡有田町戸杓乙3100-1 佐賀県立九州陶磁文化館
工芸品
本作品は上絵の具の色調が全体に濃く、有田の初期色絵の特徴を示している。制作年代は、1650年代から1660年代にかけてのものと考えられる。器胎は轆轤(ろくろ)によって成形され、口部は強く折ったあと緩やかに湾曲しながら立ち上がる。高台は内傾して削り出す。口縁部と高台畳付きを除いて全体に透明釉が掛けられ、本焼後に上絵の具で彩色されてる。口縁部には艶のない褐色の銹釉が施されている。胎土は磁器質で白色だが、僅かに微鉄粉を含む。
本作品は竹葉文の緑地に黄色の虎文と周囲の花文が鮮やかに浮かび上がり文様の構図や配色に優れている。有田の初期色絵の様式の一つを代表するものであり、肥前磁器の色絵の変遷における基準作として貴重である。
法量 : 口径31.5cm、 高さ7.2cm、 底径16.5cm。