平成10年5月11日指定
佐賀市松原二丁目5-22(公益財団法人鍋島報效会)
書跡・典籍
この法華経は、朝鮮半島高麗時代のものである。中国や朝鮮半島の法華経は、七巻本が通例であり、この法華経は高麗写経のなかでは、きわめて珍しい八巻本である。表紙及び裏表紙には、金銀泥で宝相華唐草文を描き、見返し絵は、金泥で巻第一は釈迦説法図、第二から第七までは多層宝塔、第八は菩薩半跏像を描いている。経文は、銀字で一行17字詰めに整然と書く。第八巻の奥書に、道人玄哲らの発願により、壬申の年に制作されたことが記されている。壬申の年は朝鮮半島高麗時代の忠粛王復位元年(1332)と推定されている。