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埋蔵文化財保護の流れ その2

最終更新日:

4.本発掘調査の進め方

 本発掘調査は、その事前準備作業から、報告書作成までの全体を指します。
 埋蔵文化財は国民の財産であることから、記録を取るだけでなく、調査をしてその成果を国民に知らせる必要があるからです。

 

現地作業

(1)事前準備

 ・本発掘調査計画の立案
 ・現場事務所・倉庫の設置
 ・安全対策・進入路等の確保
 ・調査地区の伐採
 ・調査事前地形の測量(必要な場合)

事前準備

現況地形測量

 

(2)表土はぎ

 遺構がある面の上にかぶった表土を除去します。
現在は重機による表土はぎが一般的です。
 ただし、機械が上に乗ると壊れてしまうような遺構、古墳などの地上に遺構が表れている遺跡、機械が入らない地形の所では人力により表土はぎを行う場合もあります。

表土はぎ

 

(3)調査区の設定

 調査を行う地区に、遺物の出土位置や遺構の位置を記録するための調査区を設定します。将来その位置がきちんと確定できるように、調査区は国土座標を用いるのが一般的です。
 また遺跡を覆う土の堆積状況等を記録するためにベルトと呼ばれる土層観察用のあぜを残すこともあります。

調査区の設定

調査区と土層観察あぜ

 

(4)遺構検出

 遺構検出とは、過去に人間が土地に刻んだ痕跡を探す作業です。こうした人間によって掘られた穴の部分は、本来の地面の部分と色や質が異なります。それを注意深く探していく作業です。

遺構検出
遺構検出作業

遺構検出
検出された遺構群

 

(5)包含層堀削

 遺構中には、遺物を含む土の層(遺物包含層)となっているものがあります。このような場合は遺物の分布状況や出てくる層位を確認しながら少しずつ掘り下げる作業を行います。

包含層掘削

遺物包含層の調査

 

(6)遺構掘り下げ

 検出した遺構を、遺物に注意しながら掘り下げていきます。

遺構掘り下げ

 

(7)遺構・遺物検出状況の写真撮影

 検出した遺構や遺物の検出状況を撮影します。

遺構遺構

 

(8)遺構・遺物の実測

 個別の遺構や遺物の出土状況等の実測を行います。

実測

 

(9)遺跡全景の写真撮影

 現在は気球やラジコンヘリによる全景撮影がよく行われています。

写真撮影

 

(10)遺構全体実測

 遺跡で確認された遺構を国土座標に合わせて実測をしたり、平板による実測を行います。

遺構全体実測

 

(11)撤去

 調査漏れがないかどうかを確認し、発掘機材や遺物を搬出します。

 

5.整理・報告書作成の流れへ

 

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