昭和33年1月23日指定
多久市多久町字宮城 若宮八幡宮
建造物
若宮八幡宮は、鎌倉幕府初代将軍の源頼朝よりこの多久荘を賜った多久太郎宗直が、建久4年(1193)に創始したと伝えられている。
神殿は、桁行3間、梁間3間のいわゆる三間社流造りである。石垣積に亀腹を施した基壇の上に建っており、周囲には勾欄付きの縁がめぐる。屋根は銅板葺きで、千木、勝男木を置く。柱は円形で、これに頭貫を通し、三斗、肘木を置いた簡単な構架である。妻飾りは、二重虹梁大瓶束というやや複雑な構造である。また、欄間の蟇股やぼたん、鳳凰、雲形などの透彫は、極彩色であり、優美さに富む。この神殿の奥には内陣が構えられており、その中央部に一間社流造、柿葺の小さな客殿を安置している。
棟札写によると、元亀3年(1572)に龍造寺和泉守長信がここを再興して以来、この神殿は幾度も修理が行われているようである。しかしながら、その基本にはなお、江戸時代初期のものが残っているといわれる。