昭和57年3月19日指定
佐賀市大和町大字名尾字原 谷口進
無形文化財
名尾の手漉き和紙は、元禄年間(1688~1704)、この地区の庄屋である納富由助が、筑後溝口村から習い伝えたことに始まるとされる。
製作工程は、梶(かじ)の束を大釜で蒸し、その樹皮をはぎ取った後、ソーダ灰を加えて煮つめ、流れ川にさらす。川さらしの間、表皮の黒皮や残り屑を手作業で取り除く。この後、水分をジャッキで脱水し、繊維を分解させるため叩き棒で打ち伸ばす。(現在では打伸器を導入。)この梶に、黄連(キンポウゲ科)と水を加えてスキブネで一枚一枚漉きあげる。
名尾紙は紙の地合がよくしまり、けば立ちが生じにくい強靱な和紙として重宝がられている。