平成5年3月31日指定
神埼郡吉野ヶ里町吉田(吉野ヶ里町教育委員会)
佐賀市城内1-15-23(県立博物館)
有田町戸杓乙3100-1(九州陶磁文化館)
考古資料
霊仙寺跡は脊振山中腹の標高約500mの地点に位置する。古代末から近世にかけて脊振山を一山とする山岳仏教活動の拠点として栄え、「脊振千坊」と称された。これらの遺物は昭和52~53年の調査で出土したものである。
経塚関係では、乙護法堂裏手の経塚から13世紀のものと推定される陶製経筒4本と和鏡3面、合子・刀子、12世紀にさかのぼる瓦経片1点、その他石像、土製灯籠などが出土した。
墓地関係では、当山住僧の墓地の一つと考えられる東谷の中世墓地から蔵骨器44点が出土した。土師器1点以外はすべて13世紀を中心とする陶磁器である。陶製経筒も含め、出土した陶磁器の大部分は中国陶磁で、他に備前焼、瀬戸焼が若干混じる。
その他、寺坊跡の調査で出土した多量の陶磁器、土師器、石鍋片等がある。
霊仙寺跡は九州における代表的な山岳仏教遺跡であり、これらの遺物は、未だ不明な点が多い山岳仏教の歴史とその活動の実態を研究する上で貴重である。