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県指定(民俗文化財の部)02

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佐賀県重要無形民俗文化財の部 

 

佐賀県重要無形民俗文化財 仁比山神社の御田舞(にいやまじんじゃのおんだまい)

昭和34年3月20日指定
神埼市神埼町仁比山的 仁比山神社
無形民俗文化財 



 13年毎の申歳の4月初申の日から二の申までの13日間に限って行われる仁比山神社の大祭「御田祭」において、境内に設けられた本舞台と、下宮の仮舞台で演じられ奉納される。出演者は、「御田役者」といわれ、勅使1名、トゾウ1名、座奉行2名、鼓6名、太鼓2名、田打6名、種蒔1名、代踏1名、鬼舞2名、稲荷1名、稲童6名、鉞渡2名で、古くは勅使従者7名、行事1名を加えた総勢48名とされていた。
 勅使の指示でトゾウが舞台を3周して、舞を促すと、座奉行はじめ役者が定位置につく。鼓打が御田歌に合せて鼓を打ち、田打が鍬と扇子を持ち謡う。稲荷が種蒔に福桶を渡すと、勢いよく四方に種籾をまく。再び田打が立って歌に合せて田を打つ所作をし、次に代踏と稲童により、苗代拵えと田植えの所作がなされ、代踏、鼓、稲童により華やかな大空の舞となり、最後は御田歌にあわせて静の舞から一転して、激しい鬼舞となる。

仁比山神社の御田舞仁比山神社の御田舞

(上の写真は、平成16年4月撮影)

 

 

 

佐賀県重要無形民俗文化財 四阿屋神社の御田舞(あずまやじんじゃのおんだまい)

昭和34年3月20日指定
鳥栖市牛原町 四阿屋神社
無形民俗文化財 


四阿屋神社の御田舞
 かつては四阿屋神社の春の神幸祭に氏子である蔵の上地区によって奉納されていたが、現在では10月の第3もしくは第4日曜日、蔵の上町の老松宮に奉納されている。出演者は長1名、座奉行2名、申立1名、種蒔1名、代踏1名、田童6名、田打6名、鼓6名、太鼓2名、鬼2名で、他に先払い2名と謡の役である手すきがあり、総勢30名ほどである。
 舞台は3間四方で、高さ約30cmで全員が定位置につくと、申立が床几にかけた長の前に進み出て御田舞の由来を口上し、以下、長が舞の開始を告げ、鼓の所作が始まる。次いで田打が立ち上がり、田打歌に合せて木鍬で耕作の所作をする。種蒔が種蒔歌につれ、勢いよく種籾をまき、再び田打が登場して田を打つ所作があり、終われば代踏が代騒棒をもちながら縦横に振り回す。また、代踏と田童が演じる田植えの所作もあり、最後は申立に導かれて鬼舞となる。

 

 

 

佐賀県重要無形民俗文化財 脇野の大念仏(わきののだいねんぶつ)

昭和34年3月20日指定
伊万里市東山代町脇野 青幡神社
無形民俗文化財


脇野の大念仏


 大念仏は伊万里市の山代郷に伝承される民俗芸能であり、大旱魃(かんばつ)の際に雨乞い祈願として青幡神社に奉納されてきた。現在では毎年8月下旬に地元の宝積寺で公開されている。出演者は鼓4名、鉦4名、笛4名、古老8名がつく。
 鼓、鉦役は白衣・白手甲・白足袋の白装束で、わらじばきであり、鼓役は胸に太鼓をつり、幌笠をかぶる。幌笠は直径120cm余りの円形のものの上に白衣をかけたもので、白布を演技者の顔面がかくれるほどに垂らす。鉦役は地蔵の種字を書いた饅頭傘をかぶる。中央に男幌・女幌の幌竹と幟を立てその下に笛の役と古老が位置し、その周囲を鼓役と鉦役が交互に混じって円陣を作り8周する。大念仏の演技には厳格な所作があり、打鉦の拍子に合せて歩調を整え、念仏を唱えながら踊る。念仏踊、踊念仏などといわれ、中世に盛んであった芸能の一つといわれ、松浦党との関連も深い民俗芸能とされている。

 

 

 

佐賀県重要無形民俗文化財 音成の面浮立(おとなしのめんぶりゅう)

昭和35年3月24日指定
鹿島市七浦音成 天子神社
無形民俗文化財


音成の面浮立
 毎年10月19日に氏神天子神社に奉納される面浮立である。現在は9月の第2日曜日に変更された。出演者は鳥毛10~20名・綾竹10~20名・笛の役数名・大太鼓1名・鉦打10名・モリャーシ数名・かけうち20~40名で、他に奉行・頭取等の古老がつく。
 面浮立の踊手である、かけうちは濃紺の木綿の襦袢を着て、股引をはく。濃紺のねじり糸の襷をかけ、首から黄色の太鼓吊りを下げ、白紐を腰に巻いて固定する。鉦打は浴衣の着流しで、下に薄青の前垂をつけ赤の腰まき裾を出す。花笠をかぶり、手ぬぐいで口を覆う。曲目は大道・せり込み・鳥居がかり・立拝・鬼よせ・中道・大道・奉願道からなる。
 県下の面浮立の起源について、豊後の大友勢が肥前を攻めた時、龍造寺方の鍋島直茂の手勢がシャグマと鬼面をつけて奇襲し、その戦勝祝いに踊ったのが始まりなどとされる。音成の面浮立は、当初の要素が最もよく伝承されている。

 

 

 

佐賀県重要無形民俗文化財 両岩の小浮立(もろいわのこぶりゅう)

昭和35年3月24日指定
嬉野市嬉野町大字吉田両岩 両岩神社
無形民俗文化財


両岩の小浮立
 両岩の小浮立は、舞浮立・踊浮立の一種であって、県西部地区にみられる演劇的要素の濃い民俗芸能である。毎年7月26日、両岩神社の祭礼にあたり舞台上で催されている。出演者は笛3~4名・モリャーシ3名、鉦5名、謡2名(以上各青壮年男子)の囃子方と、踊手である。踊手は成人男子から青少年女子まで各演目によって異なっている。
 演目は本囃子・三番叟・恵比須大黒・花笠・天人・幣奴・飛奴・鼓・大江山(鬼神浮立)・扇廻し・銭太鼓・狐忠信・綾竹・払囃子がある。本囃子は、地囃子・出端・おもて・うらから構成され、囃子方は鉢巻や花笠をはずす。陣笠に裃の武者姿をした踊手は、軽く大太鼓を打って太鼓がかりを行い、笛一句毎に5歩すり足で静かに進み、方向を変る時はまくり通しを行う。おもてが終ると謡が入り、ややテンポの早いうらの所作となる。払囃子の踊手は色模様の単衣に括り袴。異様な花笠をつける。囃子方は鉢巻や花笠をつける。しゃぎりという急調子に変ると、モリャーシと鉦が中腰となって踊の手を加え、華やかに激しく囃す。

 

 

 

佐賀県重要無形民俗文化財 三重の獅子舞(みえのししまい) 

昭和39年5月23日指定
佐賀市諸富町大字為重三重 新北神社
無形民俗文化財


三重の獅子舞
 三重の獅子舞は約600年前に、越後の国から肥前の蓮池の地に伝わったものとされ、毎年10月19日に氏子の村々によって新北神社に奉納されていたが、近年は10

月19日に近い日曜日を選んで奉納されている。出演者は囃子方としてドラ2名、鼓2名、笛10名と演技者として、めずり2名、獅子使い20数名であり、その他に奉行2名、世話役10名前後、高張提灯、手提灯がつく。
 獅子頭は顎の部分が木製で、他は和紙の重ね張りの上に漆をかけてあり、額にはシデを垂らし、頭部内側には銅製の環を付けて音を発する。頭部から尾部にかけては着物とよばれる幌をつけ、頭の色に合わせ、赤褐色、青緑色となっており、綿玉を散らす。曲目はひら・二段継ぎ・三段継ぎ・獅子かぶり・のみとり・めずりである。ひらは頭・尾に各1名がつき、獅子頭をふりながら前後に動くが、二段継ぎ・三段継ぎでは頭部に肩車になった2名もしくは3名が、手をさしあげて獅子頭を動かす曲芸的な所作となる。

 

 

 

佐賀県重要無形民俗文化財 市川の天衝舞浮立(いちかわのてんつくみゃあぶりゅう) 

昭和40年7月23日指定
佐賀市富士町大字市川 諏訪神社
無形民俗文化財


市川の天衝舞浮立
 三日月に形どって雲龍を画いた直径1m余りのテンツキとよばれる大きな紙張りの前立を額に付け、腰にゴザを下げた踊手が両手にバチをもって大太鼓を打つ民俗芸能で、毎年10月15日頃に氏神諏訪神社境内で催される。
 市川地区での出演者は壮年男子による笛の役・謡・鉦打、青年女子によるパンパコ・銭太鼓、少女による扇子舞であり、太鼓を打つ踊手のテンツクミャーは口を白布で覆い、手甲・脚絆にわらじばきである。曲目は道行・鳥居がかり・神の前・まくり等である。神社の鳥居にかかると道行から鳥居がかりの曲に変わり、行列は境内を3周して円陣を作り、定位置につく。棒使い、鉦打ちによる奴踊の後に神の前となる。神の前・まくりの曲目でテンツクミャーがテンツマを振り回しながら囃子に合せて舞い踊る。なお、同様な天衝舞浮立は玄蕃一流浮立ともいわれ、佐賀市・佐賀郡を中心に伝承されている。

 

 

 

佐賀県重要無形民俗文化財 太神楽(だいかぐら) 

昭和41年4月23日指定
神埼市神埼町神埼 櫛田神社
無形民俗文化財


太神楽
 神埼市神埼町の櫛田宮神幸祭に供奉する獅子舞であり、尾崎地区によって奉納される。伎楽系の獅子舞であるが、地元では「太神楽」とよぶ。祭礼は4月の第1土曜日、日曜日であるが、太神楽は隔年毎の神幸祭に催される。
 獅子は一頭で、切紙の頭髪を顔面一杯に垂れ、幌の中に多数の若者が入る。獅子めずりの少年が女性の長襦袢を着、赤布の頬かぶりに黒の翁面をつけ、背中に猿の人形、腰にひょうたんをぶらさげる。出演者は花籠、大宮司、棒術使い10名、大太鼓10名、笛15名、もうし35名、ササラ40名、めずり15名、獅子使い40~50名、唄頭取数名と多数に及ぶ。曲目には道行・橋がかり・神の前・ウタンジがある。道行の獅子を荒獅子と呼び、途中の家々では門口で邪気を払う所作をする。道行には「丹波の与作」などの俚謡がある。橋がかりでは獅子の激しい所作があり、社前に繰り込むと壮重な神の前となる。ウタンジではメズリの少年が奇声をあげて獅子をあやつり、変化に富んだ所作が展開する。

 

 

 

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