昭和39年5月23日指定
嬉野市塩田町唐泉山
保護すべき天然記念物(植物)に富んだ代表的一定の区域
嬉野市中央部に位地する標高410mの唐泉山の頂上には八天神社の上宮があり、この社殿を中心に約10haのシイの天然林が広がっている。唐泉山のシイは、大部分がスダジイで、ツブラシイがその中に混生しており、大半は根回り3m前後であるが、中には6m以上の大木もある。樹高はほとんどが16mを越え、10mから15mおきにそびえ立っている。この天然林の葉の繁茂は密で、足を踏み入れると視界がさえぎられ、わずかに太陽の光が地面に届くのみである。シイの間には、カブノキ、イヌガシ、その他多くの暖地性植物が生えている。
この地は八天神社の社地として、昔から伐採が禁じられていたが、元和5年(1619)の全山火災、文政11年(1828)の8月9日から10日の朝にかけて襲来した大暴風雨、いわゆる子年の大風のため北側の一部を残し全部倒れてしまったと伝えられる。