平成18年7月5日選定
鹿島市浜町字一本松ほか
町並み
当該地区は、浜川左岸に位置し、浜川に並行する多良海道(長崎海道の脇街道)が町の中央部を横断している。
鍋島支藩鹿島藩が成立した慶長14年(1609)当時に、浜中町と八本木宿に宿駅が設けられており、江戸時代中期頃からは酒造業が盛んで、江戸後期から明治期にかけて成長を続け、昭和前期にピークを迎えている。
近世を通じて大火が度重なり、文政11年(1828)の大火以降、居蔵造の町家が建設され始めた。通称「酒蔵通り」と呼ばれており、行く先の見通せない緩やかなラインと道幅は藩政期から変わっていない。また、白壁の居蔵造のみならず真壁造・茅葺の町家なども混在しており、往時の雰囲気を色濃く残している。
伝統的建造物に特定されているもののうち、肥前浜宿継場、富久千代酒造、呉竹酒造、飯盛酒造、中島酒造場、旧中島政次家住宅は、国の登録有形文化財に登録されている。