Q 不当労働行為の救済申立てをすることができるのは、労働組合だけですか。 A いいえ。労働組合だけでなく、申立てができるのは不当労働行為を受けたと考える労働組合 (上部団体を含む)又は労働者本人です。
ただし、団体交渉拒否(労働組合法第7条第2号)は、申立てをすることができるのは労働組合のみです。
Q 不当労働行為救済申立関係の手続は、代理人に依頼しようと思っています。代理人は弁護士でなければなりませんか。 A 代理人は弁護士以外でもかまいませんが、弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱等の禁止)に留意してください。ただし、代理人による申立てはできません。
Q 不当労働行為救済申立ては、不当労働行為であるとされる行為がなされた日から1年を経過するとできなくなるとききましたが。 A はい。そのとおりです。
申立てのできる期間は、当該行為が1回限りで完結するものであるときは、その行われた日から1年ですが、継続する行為であるときは、その終了した日から1年です。
一般に継続する行為とは継続的経費援助や継続的団交拒否が該当します。
また、判例は差別的査定に基づく賃金支払いも「継続する行為」と解されるので、救済の申立てが査定に基づく賃金の最後の支払いの時から1年以内になされたときは、適法であるとしております。
(参考判例)紅屋商事事件(最三小判平成3.6.4民集45巻5号984項、労判595号6頁、判時1407号118項)
Q 不当労働行為救済申立てをしたことにより、使用者から解雇等の不利益取扱いをされないか不安です。 A 労働組合法では、労働委員会への申立等を理由とする不利益取扱いが、使用者に対し禁止されています。(労働組合法第7条第4号)
Q 救済申立ての審査はどのように進められるのですか。 A 審査は、公益委員から選任された審査委員の指揮により両当事者が出席して行われます。
当事者双方の主張の整理を行う委員調査と、証拠書類及び証人尋問により、争いのある事実について証拠調べを行う審問によって進められ、最終的には公益委員会議の合議により、命令の内容が決定されます。
Q 申立ての後、途中で和解ができたときはどうなるのでしょうか。 A 救済申立ての審査の途中で、労働委員会として和解を勧めることがあり、命令が確定するまでの間いつでも和解ができます。
当事者による自主和解又は労働委員会の場で和解が成立した場合には、申立てを取り下げるか、和解の認定を受けることにより、事件は終結します。
Q 不当労働行為の救済申立ては、いつでも取下げできますか。 A 申立人は、命令書が交付されるまでの間、いつでも申立ての全部または一部を取り下げることができます。
Q 不当労働行為の命令によって使用者が罰せられることがありますか。 A 労働委員会の命令は、主に不当労働行為のなかった以前の状態に戻すことで、たとえば、解雇の場合、解雇された労働者を元の職場に戻し、その間の賃金を支払いなさい、というように原状回復が原則となっており、使用者を罰するものではありません。
Q 命令書の写しが交付された後、命令に不服がある場合は、どうすればよいですか。 A 命令に不服がある場合は、申立人も使用者も一定の期間内に中央労働委員会に対して再審査を申し立てることができます。また、地方裁判所に命令取消しの訴えを起こすことができます。
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