綾部八幡神社は日本最古の気象台とされ、旗上げ及び旗下ろしは長きにわたって地域の人々によって受け継がれてきた。当神社は、現代のように科学的な気象データが存在しない平安時代中期から風の流れを読み取ることで気象予測を行い、農業に携わる人々にとって有益な情報を提供してきた。
旗上げは毎年7月15日に行われる。謹請風神御祈祷守護之璽(きんせいふうじんごきとうしゅごのじ)と書かれた神旗を真竹に結び付け、3名の神旗人と呼ばれる男衆によって神社境内のイチョウに掲げられる。旗上げから5日後には台風の襲来、農作物の作柄などを宮司が予想する。
旗下ろしは秋分の日の翌日に行われ、神旗はイチョウから下ろされる。宮司は旗の巻き具合などを観察して、予想の結果の確認を行う。
当神事のように旗の巻き具合によってその年の吉凶を占う風占行事は、県内はもとより全国でも他に類例を見ず、本県の民俗行事上その価値が高い。
佐賀県重要無形民俗文化財
琴路神社の神幸祭行事(きんろじんじゃのしんこうさいぎょうじ) 1件
平成30年10月12日告示
所在地 鹿島市大字納富分1939番地
所有者 琴路神社の神幸祭行事保存会
琴路神社の神幸祭は、江戸初期から360年以上にわたって氏子を中心とする地区の人々によって、古くからの祭礼の形式を崩すことなく脈々と受け継がれてきたもので、神幸行列の規模は県内最大であるとともに、特徴のある獅子舞や剣突きを有し、馬が神輿と競り合って社殿の周囲を駆ける馬かけは全国でも当神社のみでみられる貴重な神事として価値が高い。
剣突き(上)と獅子舞(右)