平成元年9月22日指定
佐賀市大和町大字久池井2738-2
官衙跡
奈良時代から平安時代前期にかけての肥前国の中心となった役所跡で、昭和50年から10年間の発掘調査が実施され、政庁跡区域と、その内外の主要な建物跡が見つかり、国庁跡の全容が明らかとなった。
南北約105m、東西約77mの平面長方形に巡る溝跡と、その内側の築地によって囲まれた空間に、前殿・正殿・後殿が南北中軸線上に並び、前殿の東西両側に各2棟の脇殿を配置する。正殿の東西には回廊が取り付き郭内を南北に二分する。
これらの構造は、大宰府政庁との類似性が指摘されているが、行政組織だけでなく、国庁の造営に関しても大宰府の強い影響がうかがえる。
国庁の内部が明らかになった遺跡は全国的にも珍しく、南門と築地塀(両翼10m)が復元されている。
上空より(左) 史跡正面(右)
復元建物(南門、築地塀)(左) ガイダンス施設(右)