「記録作成等の措置を講ずべき無形(民俗)文化財」とは...
重要無形文化財・登録無形文化財及び重要無形民俗文化財・登録無形民俗文化財以外の無形(民俗)文化財のうち、特に記録作成や保存、公開等をおこなう必要があるそれが「記録作成等の措置を講ずべき無形(民俗)文化財」(通称:選択無形(民俗)文化財)として選択されます。
佐賀県内では令和6(2024)年4月30日現在、19件の無形(民俗)文化財が選択されています。
1.無形文化財
(1)柿右衛門(かきえもん)
【選択年月日】 昭和30(1955)年3月19日
【所在地】 西松浦郡有田町
【種別】 工芸技術(陶芸) 十二代酒井田柿右衛門(昭和38年3月7日死去)
※「柿右衛門」の工芸技法については、重要無形文化財「柿右衛門(濁手)」項を参照。
(2)上絵付(色鍋島)(うわえつけ・いろなべしま)
【選択年月日】 昭和32(1957)年3月30日
【所在地】 西松浦郡有田町
【種別】 工芸技術(陶芸) 十二代今泉今右衛門(昭和50年5月2日死去)
※「色鍋島」の技法については、重要無形文化財「色鍋島」項を参照。
(3)唐津焼(からつやき)
【選択年月日】 昭和30(1955)年3月19日 ※昭和51年4月30日国指定
【所在地】 唐津市町田
【種別】 工芸技術(陶芸) 十二代中里太郎右衛門(昭和60年1月5日死去)
(4)磁器大物成型のろくろ技法(じき おおものせいけい の ろくろぎほう)
【選択年月日】 昭和39(1964)年3月24日
【所在地】 西松浦郡有田町
【種別】 工芸技術(陶芸) 奥川忠右衛門(昭和50年10月11日死去)
2.無形民俗文化財
(1)有明海漁撈習俗(ありあけかい ぎょろう しゅうぞく)
【選択年月日】 昭和34(1959)年3月1日
【所在地】 佐賀県
【種別】 風俗慣習(生産・生業)
※有明海漁撈用具(重要有形民俗文化財) 昭和40(1965)年6月9日国指定
【解説】
(2)白鬚神社の田楽(しらひげじんじゃ の でんがく)
【選択年月日】 昭和45(1970)年6月8日
【所在地】 佐賀市久保泉町川久保 白鬚神社
【種別】 民俗芸能(田楽)
※白鬚神社の田楽(重要無形民俗文化財) 平成13(2001)年2月28日国指定
【解説】
詳細は国指定重要無形民俗文化財「白鬚神社の田楽」項を参照
(3)高瀬の荒踊(たかせ の あらおどり)
【選択年月日】 昭和46(1971)年4月21日
【所在地】 武雄市西川登高瀬 松尾神社
【種別】 民俗芸能(風流)
※武雄の荒躍(重要無形文化財) 昭和52(1977)年5月17日国指定
【解説】
詳細は国指定重要無形民俗文化財「武雄の荒踊」項を参照
(4)高志の狂言(たかし の きょうげん)
【選択年月日】 昭和47(1972)年8月5日
【所在地】 神埼市千代田町下坂 高志神社
【種別】 民俗芸能(渡来芸・舞台芸)
※高志狂言(重要無形文化財) 昭和46(1971)年3月28日県指定
【解説】
詳細は佐賀県重要無形民俗文化財「高志狂言」項を参照
(5)川原狂言(こうばる きょうげん)
【選択年月日】 昭和49(1974)年12月4日
【所在地】 藤津郡太良町大字多良字上川原
【種別】 民俗芸能(渡来芸・舞台芸)
※川原狂言(重要無形文化財) 昭和46(1971)年3月28日県指定
【解説】
(6)四阿屋神社の御田舞(あずまやじんじゃ の おんだまい)
【選択年月日】 昭和51(1976)年12月25日
【所在地】 鳥栖市牛原町 四阿屋神社
【種別】 民俗芸能(田楽)
※四阿屋神社の御田舞(重要無形民俗文化財) 昭和34(1959)年3月20日県指定
【解説】
(7)音成の面浮立(おとなし の めんぶりゅう)
【選択年月日】 昭和53(1978)年1月31日
【所在地】 鹿島市七浦町音成 天子神社
【種別】 民俗芸能(風流)
※ 音成の面浮立(重要無形民俗文化財) 昭和35(1960)年3月24日県指定
【解説】
(8)竹崎観世音寺修正会鬼祭(たけざきかんぜおんじ しゅうじょうえ おにまつり)
【選択年月日】 昭和53(1978)年12月8日
【所在地】 藤津郡太良町大浦字竹崎 竹崎観世音寺
【種別】 民俗芸能(その他)
※竹崎観世音寺修正会鬼祭(重要無形民俗文化財) 昭和60(1985)年1月12日国指定
【解説】
(9)府招の浮立(ふまねき の ふりゅう)
【選択年月日】 昭和62(1987)年12月18日
【所在地】 伊万里市南波多町府招 権現社
【種別】 民俗芸能(風流)
※府招浮立(重要無形民俗文化財) 昭和43(1968)年4月23日県指定
【解説】
(10)田代の売薬習俗(たしろ の ばいやく しゅうぞく)
【選択年月日】 平成7(1995)年12月26日
【所在地】 鳥栖市、三養基郡基山町
【種別】 風俗慣習(生産・生業)
【解説】
(11)呼子の大綱引き(よぶこ の おおつなひき)
【選択年月日】 平成15(2003)年2月20日
【所在地】 唐津市呼子町
【種別】 風俗慣習(娯楽・競技)
※呼子の大綱引き(重要無形民俗文化財) 平成25(2013)年3月12日国指定
【解説】
詳細は重要無形民俗文化財「呼子の大綱引き」項を参照
(12)神原八幡宮の取り追う祭(かみのはらはちまんぐう の とりおうまつり)
【選択年月日】 平成21(2009)年3月11日
【所在地】 伊万里市二里町大里
【種別】 風俗慣習(祭礼(信仰))
【解説】
神原八幡宮に伝承される祭りで、12月最初の卯の日の前日、地区の男性が攻め手と守り手に分かれて、ゴクウサン(御供さん)と呼ばれる新米で作った神饌(しんせん)を奪い合い、五穀豊穣や無病息災を祈願する。
守り手は松明を、攻め手は榊の枝を持ち、テボと呼ばれる竹製の容器に収められた神饌をめぐって攻防する。榊の枝は松明の火の粉を払うためのものであるが、神饌は、最後には攻め手によって奪われ、境内に集まった氏子や観衆に配られる。
神饌の共食儀礼に火祭りの要素や競技的な性格が加わり、現行の形態に至ったと考えられる。また、激しい取り合いに伴って神饌を揺さぶる行為は、穀物に宿る精霊(穀霊)を再生・強化するという信仰を窺わせる。
詳細は伊万里市HP(外部リンク)を参照
〔松明合戦の様子〕
(13)北部九州の盆綱(ほくぶきゅうしゅう の ぼんつな)
【選択年月日】 平成31(2019)年2月8日
【所在地】 福岡県、佐賀県(唐津市、玄海町ほか)
【種別】 風俗慣習(年中行事)
【解説】
(14)大白木の亥の子さま(おおしらき の いのこさま)
【選択年月日】 令和5(2023)年3月22日
【所在地】 唐津市七山白木
【種別】 風俗慣習(年中行事)
【解説】
〔ワラトビ(稲藁)を頭にかぶる子供たち〕
(15)綾部八幡神社の旗上げ・旗下ろし行事(あやべはちまんじんじゃ の はたあげ・はたおろし ぎょうじ)
【選択年月日】 令和6(2024)年3月21日
【所在地】 三養基郡みやき町原古賀 綾部八幡神社
【種別】 風俗慣習
※綾部八幡神社の旗上げ・旗下ろし神事(重要無形民俗文化財) 平成29(2017)4月11日県指定
【解説】
綾部八幡神社に伝承される風占いの行事である。毎年7月15日に神籏と呼ばれる麻製の布を境内の神木(約30m)に取り付け(旗上げ)、秋分の日の翌日に「旗下ろし」される。旗上げから旗下ろしまでの約70日間は、神旗の巻き具合から天候や豊凶を占う(いわゆる気象観測)。
〔籏下ろしの様子〕